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2017.12.30 Saturday

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    幸せなリタイアを迎えるために

    2018.01.06 Saturday

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    あっという間に40代を迎え、これからの自分の働き方や職業人生について意識が向き始める場面が増えてきました。世話しない毎日

    に追われる身だからこそ、立ち止まって自分の現状と今後の方向性に思いを寄せる必要があると思っています。なかなか思うように

    進められないジレンマを感じていた矢先、新聞広告でお気に入りの佐藤優氏が上梓した一冊を知り、早速購入して読み始めました。

     

    まずは、当然のことながら自分の現状を正確に把握することの重要性を改めて認識。結婚して子供がいる場合には、高騰する教育費

    と右肩下がりの収入の狭間で、住宅購入をどうするのか。シングルの場合には、高齢になった際のケアと経済的な問題。何かと先送

    りにしがちな問題ですが、現実として向き合わなければならないことを痛感させられる結果に。頭が痛いですが、動き出さねば…

     

    加えて、会社外で自分の居場所と人との繋がりを築く必要性も説かれています。実は一昨年あたりから、読書会に参加して自分も

    そういう場を持ちたいと思ってきましたが、未だに実現せず。職場での慣れた業務の繰り返しで硬くなった頭を柔らかくするため

    に、勉強する機会を求めて大学や自治体の市民講座を活用して、第一歩を始めるのも良いかもしれないと考えるようになりました。

     

    40代は、部下との関係でも色々と思い悩む世代。自分の業務にも追われる状況で、思考形態が異なる若い世代を理解して成長させる

    ミッションも課せられています。部下に求める第一のポイントが、「論理力」であることに共感。圧を掛ける必要性もありますが、

    基本的に相談(サーバント)型上司が今後求められる姿であることには、異論を感じる方々も少なくないのではないでしょうか…

     

    自分のメンターとなる存在を見つけることの重要性には、納得できる思いが。実はこれが一番難しいことだと思いますが、会社内に

    限定されることなく、地域の繋がりに気軽なメンターを見つけることもできる点は、意外と見過ごされがちかも。特に女性は、そち

    らの方が見つけやすいのでは。おこがましいかもしれませんが、僕にとってのメンターは佐藤優氏にしたいと思いました。

     

    それにしても、現代は時間泥棒が跋扈する時代であることを再認識せざるを得ませんでした。SNSやスマホいじりに時間を取られ、

    自分を高めたり見つめ直したりする時間が知らぬ間になくなる怖さ。そこから距離を置く時間や場所を確保することが、自分らしい

    幸せを手にする起点になることを実感。周囲の人々を幸せに導ける存在になることを目標にしていきたいと思いました。

     

     

     

    台湾発の青春群像に酔いしれろ

    2017.12.30 Saturday

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    JUGEMテーマ:小説全般

     

     

    単行本を見かけてから気になっていた、東山彰良の直木賞受賞作「流」。パラパラ捲っていると面白そうな感触だったので、文庫化

    された際には迷わず購入してしまいました。しばらく積読の後に、いつも通りチビチビ読み進めて1か月ほどで読了。新たな作家と

    の出会いに感謝しながら、ハードボイルドな青春小説の世界にどっぶり浸ることができました。

     

    舞台は1970〜1980年代の台湾。主人公は大学受験を控えた高校生・葉秋生。ひょんなことからグレてしまった主人公を愛し続けた

    祖父が、ある日浴槽に沈められた姿で殺害されます。復讐心に燃える秋生でしたが、祖父の来し方を知る内に中国大陸での暗い記憶

    が明らかに。祖父は国共内戦で国民党軍に従軍し、台湾に逃れてきた過去があり、大陸では共産党軍側の人間を殺戮したのです。

     

    犯人探しをしながらも秋生の周辺にはヤクザの抗争が吹き荒れ、結局大学進学はかなわずに軍隊に入隊。入隊前に良い関係になって

    いた恋人の毛毛とも、入隊を契機に関係が終焉を迎え、心身ともに厳しい環境に置かれることに。恋人との破局には、自分の血縁を

    巡る思わぬ関係が絡んでいたことが判明すると、落ち着いていた祖父の復讐心が形を変えて蘇ります。

     

    大陸にいる祖父の知り合いと手紙で交流を図りながら、当時はまだ断行関係にあった中国大陸に日本経由で乗り込むことを決意した

    秋生。そこで待ち受けた過酷な現実が、秋生に襲いかかります。中国ならではの人間関係と歴史に翻弄されたストーリー展開に、骨

    太な印象を強く持ちました。ハードボイルドながら豊かな青春群像と80年代の雰囲気を感じられ、懐かしい思いで頁を閉じました。

     

    今後の東山氏には、台湾をバックグランドにした作品を綴ってほしいと思っています。ハードボイルドや青春小説は、すでに多くの

    作品が存在して名作も少なからず存在している一方、日本ではまだ馴染みがない台湾を舞台にした作品に注目が集まることは、著者

    も認識されているでしょう。日台関係が熱い今だからこそ、相互理解が深められる新たな境地を開く技量に期待しています。

     

     

    最高学府が指南する意外な思考法

    2017.12.23 Saturday

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    JUGEMテーマ:オススメの本

     

     

    早いもので、2017年も残すところ僅か。この一年は、個人的に本当に過ぎ去るスピードが速かったように感じられます。恐らくは

    年齢の影響もあるとは思いますが、何かと変化のスピードが加速する今日の状況を考えると、あながちそれだけではなさそうな気も

    します。とにかく日々の仕事や生活に余裕が持てず、様々なことに追われている感覚に迫られているような…

     

    書店で本書を見た時、どうやらそう感じているのは私だけではないと思ってしまいました。目の前に迫る課題への対応に追われる

    あまり、即効性の高いノウハウに頼りがちですが、果たして期待する成果が本当に得られるのか、疑問に思うことも。とは言え、

    それに変わるような方法論も見いだせずに悩むことも多いと思いますが、そんな時こそ自分の頭で考えることが重要なようです。

     

    本書は、京都大でデザイン学を教えている教員が「不便益」を研究を通じて得た知見をもとにまとめたものです。「不便益」とは

    聞き慣れない言葉ですが、あえて不便にすることで私たちが見失いがちな物事の本質を明確にし、発想転換を生み出す効用を指し

    ます。進歩や革新は通常、既存のものに付加する形で登場しますが、その分だけ物事の本質は見えにくくなるとの指摘に納得。

     

    私も含めてレスポンスが早いと、思わず評価したくなりますよね。仕事では特にそうだと思いますが、一方で戦術・戦略の策定や

    アイデアを出したりする場面では、しっかり考え抜くことも必要。昨今はスピードが求められるあまり、十分な検討がなされずに

    失敗することも少なくないようです。ビジネスの世界でも、思考習慣の不足が深刻な問題として認識され始めているようです。

     

    本書では、「鉛筆と紙」を用いたアナログな思考こそが、何かと忙しい現代人に必要な思考スタイルではないかと提案しています。

    ほぼ最後まで「このご時世に、なぜ鉛筆?」との思いが頭の片隅から離れずにいましたが、思考のプロセスを実感しながら「モノ

    のことわり」の中で自由に発想する重要性を鉛筆が体現していることを、まさに最後で「実感」できました。

     

    著者は元々は工学系の研究者。私たちのイメージでは、PCを自在に駆使してシステマティックに思考していると考えがちですが、

    思考のプロは意外とアナログの効用を重視しているようです。大切なのは、考える過程とそれに伴う実感であるという見解には、

    大いに共感する思いが。本書は、形を変えた現代の哲学入門であると感じました。ぜひご一読をお薦めします。

     

    「ブラタモリ」の背景を学ぶ一冊

    2017.12.16 Saturday

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    JUGEMテーマ:新書

     

     

    放送開始からNHKのブラタモリの世界観にハマってしまい、知らず知らずのうちに地形に関心を持つようになりました。

    加えて、東日本大震災の影響で地質や地形を意識する場面が増えたこともあり、これを機に勉強してみようと思っていたところ、

    書店で本書を見かけました。パラパラ捲って比較的読みやすいと感じたため、迷わず購入。しばらく積読の後に読了となりました。

     

    ブルーバックスは科学初心者にとって格好の入門編ではありますが、それでも数式が表れるとアレルギー反応が生じることも。

    そんなラインナップの中でも、本書は専門知識を交えつつも図表が随所に配され、比較的わかりやすい記述も相まって、何とか

    読み切ることができました。正直細かな内容になると理解できない箇所もありましたが、地形の全体像は俯瞰できたと思います。

     

    本書の目次は以下の通りとなっており、初心者でも取り掛かりやすい構成となっています。

     1.日本列島はどのようにして形作られたか

     2.北海道 3.東北 4.関東 5.中部 6.近畿 7.中国・四国 8.九州

    全体を俯瞰した上で、地方ごとの地形の特徴がコンパクトにまとめられており、これまでの知識とのリンクが可能です。適度に

    詳細を割愛しつつ本質を理解させるには、作者に相当の技量が求められますが、本書はその要素を十分に満たしているようです。

     

     

    日本列島がユーラシア大陸とつながっていたことや、プレートテクトニクスの動きが地形や地質に大きな影響を与えてきたことを

    改めて認識させられ、地球が生きていることを実感。地方によりこれほどの違いがあることを初めて知る場面もあり、新鮮な驚き

    が。地層を通じて地球の豊かな歴史もよく理解でき、知的好奇心も満たされました。手元に残したい一冊だと思っています。

     

     

    それにしても、タモリさんは若い頃から地形に興味があったとは言え、難解なテーマであれほど面白い番組を作ってしまうとは、

    本当に凄いと思います。理系分野はビジュアルがないと理解しにくいことが多いので、良質で楽しめる番組は実にありがたい存在。

    NHKを巡っては様々な議論がありますが、こうした番組作りができる点に存在意義があると感じています。

     

     

     

     

    どん底から這い上がる生き様を見よ

    2017.12.09 Saturday

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    JUGEMテーマ:小説全般

     

     

    少し前から書店で「イモータル」という小説を目にして、ずっと気になっていました。個人的に追い続けている佐藤優氏がお薦めと

    いう触れ込みだったので。購入を迷う間に本書が文庫の新刊で並び、こちらの方が読みやすい印象を受けたことと書名にも惹かれ、

    しばらく積読の後に読み始めました。相変わらずチビチビ読み進めたので、一月ほど掛かってしまいました。

     

    時は豊臣秀吉が全国統一を成し遂げ、朝鮮出兵に動き始めた頃。秀吉の統治に不満を持つ島津氏配下・梅北国兼の嗣子である五郎太

    が、この物語の主人公です。一族の決起は不首尾に終わり、五郎太は妻子を目の前で殺害された上、マニラに漂着することに。そこ

    から地を這う苦難の連続の中で命を繋ぎ、スペイン船内での騒動を経て日本へ帰国。商家に身を寄せた最中で、数奇な出会いが。

     

    ひょんなことから旅廻りの一座と遭遇し、商家と袂を別った五郎太はその一座に転がり込みます。一座の花形役者が、出雲の阿国。

    歌舞伎の原型を作ったとされる芸人です。その一座の踊りは京中で評判となり、時の関白・豊臣秀次の前で舞うことに。秀頼の誕生

    により悩みを深める秀次と秀吉に積年の恨みを持つ五郎太は、改名を通じて伏せていた復讐を実行に移します。

     

    結末は本書で確認してほしいのですが、挫折をきっかけにそれまでの思いや生き様を封印せざるを得ない事態に直面することは、

    現在でも十分にあり得ることだと思います。そんな思いを抱えながら、時に目の前の状況に追われて日々を生きていく場面は、妙な

    リアルさを感じました。思わぬきっかけや遭遇からその思いが解き放たれ、果たしてそれが本人の人生にプラスに作用するのか。

     

    五郎太の場合にはその思いが積年の恨みであることから、悪の道を突き進むことに。マニラの教会で遭遇した神父・デュルタルから

    受けた悪の教示が、その後の五郎太の生き様に大きな影響を与えたことも伏線になっています。書名のグレイスは恩寵という意味だ

    そうで、人間の生き様は神の恩寵なしに報われることはないというメッセージが。どう受け止めるかは、読者に依ると思います。

     

    解説にもありますが、朝鮮出兵からアジアに広がっていた日本人町の息遣い、転びバテレン・出雲の阿国・秀次の切腹・五右衛門

    伝説など、歴史に興味がある方なら気になる話題が盛り込まれた内容。複雑な内容を一つのストーリーとして実にスムーズに綴る

    手腕は、今後の活躍を期待してしまいます。深い世界観を見事に表現してくれる稀有な作家として、注目していきたいと思います。