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    トランプ大統領を生んだ背景の潮流

    2017.09.17 Sunday

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    JUGEMテーマ:新書

     

     

    まさかのトランプ氏当選で大きな注目を集めた米大統領選から、早いものでもう1年が過ぎようとしています。

    あの時の驚きは今でも鮮明に残っていて、良くも悪しくもある種の興奮を強く感じました。そのトランプ氏は今、

    暴発寸前の北朝鮮問題でその手腕が世界中から問われています。英国ではEU離脱(Brexit)を巡って、未だに

    国内世論は分裂状態。フランスでは、大統領選の度に極右のルペン氏の伸長が注目されています。

     

    日本でも、2000年代に入って保守化が急速に進行したと言われています。確かに、僕たちが子どもの頃には

    「愛国心」など口にしてはいけない雰囲気が強かったのに、今ではすっかり様変わり。個人的には、ある意味で

    健全な世の中になったと感じない訳でもないですが、この流れは日本だけでなく世界レベルで起きていることは、

    すでにご存知の方も多いはず。では、この「世界総保守化」の流れはどうして起きたのでしょうか。

     

    歴史をどこまで遡るかにより、見てくる現象も異なりますが、やはり冷戦の終結が大きな分岐点だと思います。

    米英では、80年代に経済政策と対ソ戦略の転換を図るタカ派的な路線が支持を集め、世界に先駆けて新自由主義

    を積極的に推進。進歩主義(リベラル)の後ろ盾だった社会主義が崩壊すると、それまで世界の大きな潮流を

    担ったリベラルが退潮を始めました。これにより、世界中で地滑り的に保守化の流れが広がることに。

     

    とは言え、この「保守」という概念が実はかなり曖昧で、一昔前まではリベラルに対する一種のアンチテーゼと

    認識していた人も少なからず。かく言う私もそうでした。ところが、小さな政府を標榜する新自由主義が世界を

    席巻する現在、保守主義がそれとイコールだと思われているようです。言葉の意味合いや歴史的な経緯を考える

    と、本来は違うはずではと思うのですが、実際に起きている現象を見ると、そう思うのも無理からぬことです。

     

    昨今の情勢を見て、トランプを生んだ潮流であり、今後の政治思想の軸となる保守主義の正確な概容を知る必要が

    あると思い、本書を手に取りました。出版されたのは昨年ですが、本来の保守主義が持つ有効性を感じられる意味

    で、優れてタイムリーな一冊だと思いました。新自由主義と保守主義は、共通する要素も持ち合わせていますが、

    後者が歴史を踏まえた謙虚さを人間に求めている点は、格差を増長する前者と大きく異なる点だと思います。

     

    詳細については本書にあたってほしいのですが、リベラルも新自由主義も少なからず人工的な要素が強い思想が

    背景にあり、それらの綻びが人々の不信や不満を買っており、そのことが保守化を後押ししている点も否定でき

    ません。反フランス革命の論陣を張ったバークをはじめ、保守主義の歴史を担った賢人たちの声には、今だから

    こその説得力が。今の時代に大平正芳元首相のような存在がいたら、政治の風景はもっと違っていたでしょう。

     

    個人的には、安倍首相が進める方向性に大きな意味で誤りがあるとは思っていませんが、残念ながらその考え方

    には歴史的な思考を深めた形跡や過去の賢人の見解や取り組みを広く受け止める姿勢は、あまり感じられず。

    日本のみならず、今後の世界の方向性をについて改めて考える上でも、著者が示す保守主義の在り方を知ることは、

    少なからず有益だと思います。非常に読みやすい内容なので、ぜひご一読をお薦めします。

     

     

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